初の刑事事件
数年前から飲食店の無断キャンセル被害が
ニュースになっております。
これまでは民事事件でしたが、
ついに、、
「刑事事件」
となりました。容疑名は、
偽計業務妨害罪
という何とも聞きなれない、
罪名ですが、要は
「嘘をついてお店に迷惑をかけた」
という罪なのですが、
3年以下の懲役または50万円以下の
罰金だそうです。
まあ、こういう前例が出てくると、
ある程度抑止力にはなるので、
飲食店などの経営者には良い傾向なのかな、とは
思いますが、
それだけではキャンセルの根本解決には
ならないので、やはり各自で防止策を
取っていきたいところです。
北風と太陽
私はこうした防止策を考えるとき、
イソップ童話の「北風」と「太陽」をベースにすることが多いです。
つまり、
旅人のマントを脱がせるために、
北風は無理やり剥ぎ取ろうとし、
太陽はポカポカと温めて自ら脱がせようとした、
というアレです。
この勝負では太陽が勝利しましたが、
実際の現場では、
北風のほうが良いこともあります。
この話をキャンセルに置き換えるならば、
1)キャンセルできなくする「ペナルティ策」
2)キャンセルしたくなくなる「ご褒美策」
の両面で考えることが効果的なのです。
ペナルティ策とは?
ペナルティ策というのは、
おそらく誰もがいろいろ考えることだと思います。
ざっと思いつくだけでも、
3つはあります。
1)個人情報
2)キャンセル料
3)デポジット制
少し解説しますね。
1)個人情報
これは最もゆるやかな手段ですが、
相手の名前や住所や電話番号、
をしっかり確認し、
できれば折り返しの電話を後ほど入れる、
ということで、
キャンセルしにくくする方法です。
誰だって身元が分かったら、
いい加減なことはしにくくなる、という
心理を使った方法です。
2)キャンセル料
これはキャンセル料がかかることを
あらかじめお伝えすることで、
キャンセル抑止力にする、
というものです。
ただ、今回の事件のような悪質なものには
通用しません。
ある程度、お客さんを信頼した上での
予防策くらいの位置づけです。
3)デポジット制
これは一番確実な方法です。
つまり、前金で振り込んでもらうなり、クレジットカードの
番号をもらっておく、という、
一流ホテルなどが採用している方法です。
もちろん、1)2)もおのずと対応できるので、
キャンセルした場合にとりはぐれる、
ということはありません。
ただ、お気づきのように、
パワフルな方法を取れば取るほど、お客さんの利便性は
悪くなります。その結果、
「キャンセルは減ったけど、
予約も減っちゃった」
という事態を招きかねません。
これが多くのお店の泣き所ではないでしょうか。
そこで、併用したいのは、
次にご紹介する、「ご褒美策」です。
2)ご褒美策とは?
ご褒美策とは、
ペナルティ策が、
「○○をしたら、
××というペナルティがあります」
という罰則的なものに対し、
むしろ反対に、
「○○をしたら、
△△というご褒美がもらえます」
というものです。
これは様々なやり方がありますが、
今回はシンプルに、先ほどのペナルティ策を
ひっくり返すとカンタンです。
つまり、
---------------------
1)個人情報を教えてくれたら、
○○を来店時にプレゼントします!
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2)前日に確認のお電話を下さったら、
追加で○○円を割引します。
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3)デポジットをしてくれたら、
10%の金額にします。
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というように、
こちらの言うとおりにしてくれたら、
特典がもらえますよ、
というものです。
やっていることは、
ペナルティ策と同じでもお客さんの印象は
まったく異なります。
もちろん、ご褒美策ばかりでは、
通用しない部分もあるかと思いますので、
ペナルティ策とご褒美策
を良いバランスで使っていくことが
ベストなのではないでしょうか。